【書評】「認知症世界の歩き方」は認知症当事者に向けた新しい視点の本

前から気になっていた
認知症世界の歩き方を
読みました。

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これまで
認知症の人にどう接したらよいか、
という本はたくさんありました。
が、

この本は
「認知症の当事者に向けて書かれている」
という点がとても新鮮でした。

また、当事者でなく認知症の人と接する人も、
この本を読むと
認知症の人がどうしてそういう行動を取るのか
ということが理解できるようになります。

目次

「認知症の歩き方」とは

この本は
これまでの認知症関連の本とは違い、
認知症の方たちへの
インタビューを元に作られた
「認知症の方の視点で認知症を知る」
ことのできる本です。

この本を書いた「筧祐介」さんはこんな人

この本を書いたのは
筧祐介さん。

issue+design
という特定非営利活動法人の代表の方。
認知症の専門家ではありません。

筧さんは
2018年に「認知症未来共創ハブ
という団体の活動に参加し
多くの認知症の方との交流を通じて
認知症の課題解決はデザイナーの仕事だ
と確信し、この本を作りました。

そしてこの本は

という2部構成になっています。

PART1「認知症世界の歩き方」で認知症の人が見ている世界がわかる

認知症 世界の歩き方として
「認知症のある人が生きている世界」がわかる
13のストーリーが書かれています。

そして
各ストーリーは
次のような構成になっています。

例えば
Story1「ミステリーバス」

乗り込んだバスの中で
どんどん記憶を失ってしまう
というストーリーが「旅人の声」として書かれ

それはどうして起こるのか
という説明
があり

こういった症状により
具体的に実生活の中で起きる事例
(火をつけたことを忘れてしまう
 何度も同じ話をする、など)
が書かれています。

この本を読むと
認知症の人のリアルな気持ちが
手に取るようにわかります。

PART2 「認知症とともに生きるための知恵を学ぶ旅のガイド」で必要な情報がわかる

このパートでは
認知症の人が
認知症世界の旅に必要な
知恵・心構え・ツール・情報が
まとめられています。

今まで
認知症の人にどう接したらよいか、
という本はたくさんありましたが
この本は
認知症の当事者に向けて書かれている
という点がとても新鮮でした。

また、
認知症の方が感じていることを
より多くの人に理解してもらいたい
という目的で
この本は作られています。

「認知症の歩き方」の良いところ

認知症の人に世界がどう見えているかがわかり、気持ちが理解できるようになる

認知症の人の行動は
不可思議なことが多いです。
理解できないことがあると
人はイライラしてしまいます。

この本を読むと
認知症の人の視点から
世界はどう見えているか
ということが分かります。

認知症の人の視点がわかると
その人がどうしてそういう行動をとるか
ということを
想像できるようになります。

生活シーン別 困りごと索引がある

この本の最後には
付録として
生活 シーン別 困りごと索引
がついています。

この付録では
「148の生活の困りごとを」
一覧にまとめてあります。

各項目には
本編のストーリーの該当ページが書いてあり
その困りごとの背景となる障害を
知ることができます

認知症の当事者におすすめ

この本では認知症の人に向けた
メッセージが書かれています。

  • 生きがいや役割を見つけて挑戦してみる
  • 自分の経験と思いを発信する
  • 社会を変える活動に参加する

のような前向きなものもあれば

  • 無理しない 頑張らない
  • しんどい 気持ちを閉じ込めない

など 一休みも必要だよ
というものもあります。

認知症の進行状況にもよると思いますが
まだこういった本を読むことができる段階であれば
ぜひ認知症の方にも読んでもらいたい本です。

見出しやイラストがわかりやすく配置されている

見出しやイラストが多用されており
重要ポイントは太字にされています。

そのため、じっくりでなく
さっと目を通したい時にも
読みやすい構成
になっています。

本を読む前に概要を知りたい方にはポータルサイトもおすすめ

認知症の世界の歩き方は
ポータルサイトがあります。

まずは概要を知りたい、
雰囲気をつかみたい、
という方は
こちらのポータルサイトを
見てみるのも良いでしょう。

まとめ

認知症母の困っている状態が理解できた

この本を読んで、
認知症の母が
日常困っているシーンも
「そういうことか!」と
理解できました。

認知症のご家族がいるかたには
ぜひ読んでいただきたい本です。

「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界」との比較

同じようなコンセプトの本として
「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界」
があります。

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「マンガでわかる〜」は
マンガがベースのため
より読みやすいものになっています。

認知症の人を理解するための本として
こちらも併せて読むことを
おすすめします。

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この記事を書いた人

アラカンのシングルマザー。
現在、高校生と大学生の娘たちと3人暮らしです。

父母は遠方(自宅から電車で2時間弱のところ)にて2人暮らし。
母は現在、軽度の認知症と手足の痺れにより介護認定で要支援1。
父はしっかりしてるけど、認知症気配がちらほら。

心配性ゆえ、親の介護と自分の老後に備えて打てる手は打とうと日々模索してます。

自分自身の老後不安を少しでも解消すべく、資産形成のためにアラカン目前でファイナンシャルプランナー資格も取得しました。

趣味は投資・節約・読書・ジョギング。

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